車でぶつけたフェンスの柱を″1本だけ”取り替える工事

こんばんは、ブロック、外構職人のほろです。ここ最近仕事がめちゃくちゃ忙しくブログ更新が滞っておりました(言い訳)

さて、今日は夜勤明けだったのでお昼から出社して、軽い仕事「車でぶつけたフェンスの柱を″1本だけ”取り替える工事 」をやってきました。

車でフェンスぶつけちゃったんだよなぁ、柱が1本だけ曲がっちゃったんだけど、1本だけって業者さんにお願い出来るのかなぁ…

もちろんできます。プロのフェンス屋さんならちょちょいのポンですw

実際にはどんな手順で施工するのか、今日は工事しながら写真をいっぱい撮ってきましたので詳しく解説してみましょう

既存フェンスの柱を1本だけ交換する手順

大雑把な作業の流れ

取り替える柱に付いているパネルを外す
  ↓  ↓  ↓
破損した柱を撤去
  ↓  ↓  ↓
コアドリルで柱の周りごとコンクリートをくり抜く
  ↓  ↓  ↓
排出したノロを洗って、新しい柱を立てる
  ↓  ↓  ↓
柱が固まったらパネルを復旧→作業完了

交換する柱のパネルを外す

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今回交換してきたフェンスがこちら。車でぶつけたらしいのですが、柱の埋まっているブロックと、メッシュのパネルは奇跡的に無事で、柱だけが曲がってしまったようです。(柱の下が半分ちぎれているので、おそらくもっと曲がっていたのをグイッと戻してある状態のようです。)

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はい、パネルの取り外し完了。メッシュフェンスの場合は、柱に固定してあるJ型のボルトと、隣のパネルとの固定金具を外せば簡単に外せます。

コア抜きする周りをあらかじめ濡らしておく。

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順番は前後しても問題ないですが、対象のブロック(またはコンクリート)の表面が乾燥している場合、コアドリルで穴を開ける際に排出するノロが流れた部分に思い切り吸い込まれてしまうので、(こうなってしまうとブラシでこすってもなかなか取れない)あらかじめ水分を含ませておくことで、後で洗う際に簡単に流せるようになります。 これは洗う手間が大幅に変わってきますので、かなり重要。

現場で水を確保できない場合も多いので、節水のため、噴霧器をよく使います。地球と環境にも実は優しいです(笑)

柱を撤去してコアドリルをセットする

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今回の柱はほとんどちぎれていたので、手で簡単に折れました。 サンダーでカットする場合、コアを開けた後にペンチ(またはカラス)で掴みやすい様に1センチくらい残すと、抜く時に楽だったりします。

画像のベースプレートはお手製オリジナル商品で、ブロックなどにコアドリルをセットする際にアンカーを使わずに簡単にセットできる超便利グッズです。仕事が忙しくないときに作ったりしてます(笑)
(どうしてもこのベースプレートが欲しい方は、ご連絡いただければ相談させていただきます)

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本体を固定する時に、穴あけ位置の中心を合わせ、水平器で前後左右の垂直も合わせます。

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今回は交換する柱の埋め込み深さがわかっていたので、コアの刃先が接地した状態で本体のシャフト部分に予定穴あけ深さを印します。

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本格的に水で流して開ける前に、刃先が少し入るくらいまで、慎重にガイドとなる溝を作ります。

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青いタンクからホースで機械に水を送り込み、コアドリルの刃の内側から水圧でコンクリートの削りカスを水と一緒に外に洗い流しながらコアを抜いていきます。 ホースはエアー用を流用していて、本体からカプラーを抜くと水圧がかかっていても水は止まるし、かなり使い勝手は良いです。用途外使用ですが、危険な事ではないのでコアドリルをお使いの方、興味があればぜひ試してみてください(^^♪

※コアドリルは本体が重いので、水を気にせずホースを簡単に外せると移動する際に非常に便利です。

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実際にコアを開けているところ。
コアにかぶせてあるお手製塩ビパイプは、排出されるノロの周囲への飛散を99.9%防止(※1)するスグレモノです。
これがないと周りにめちゃくちゃ飛び散ってしまうので、後で回りを洗うのが超大変。
これも後の掃除の手間を大幅に減らす工夫です。仕事の速さと正確さはこういう細かい事の積み重ね!

※1 ほろさん調べ

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コア開け中は、常に排出されるノロ(水圧で少量の水と一緒に押し出されるドロドロ状のコンクリートの削りカス)の状態、水の量に神経を集中させます。

↑少しわかりにくいですが、この画像のように黒いキラキラした粉が出てくるのは鉄筋を切った証拠。こんなに出続けるのは、間違いなく鉄筋を縦に割いていると推測。。

コアドリルは、鉄に当たる分だけ進みが遅くなり、刃先も消耗します。

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やっと予定深さまで開け終わりました。すごく進みが悪かったので、絶対変なふうに鉄筋切ってたに違いない…

ノロを洗い流してコアを抜く

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ここまでいったら、もうコアドリルは使わないので片付けて、排出したノロも乾くと厄介なので先に洗い流します。

そしていよいよコアを抜く作業です。今回はかなり鉄筋を切ったようなので、一筋縄ではいかなそうだ…

↑このようにマイナスドライバーを隙間に差し込みハンマーで叩くと割と高確率できれいに折れるんですが…

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大成功!きれいにポッキリ折れました(^^)/ これはかなりラッキーです、抜いたコンクリートの手前側に、縦に筋が入っているのがお分かりでしょうか? そう。鉄筋の跡です、かなり端っこに鉄筋があったので、縦に割いたのにきれいに取ることができました。

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開けた穴をのぞき込んだところ。左上のところ鉄筋、縦に割れてるのわかります? こればっかりはねぇ。。ほんと『運』の要素が大きいんですよ。

今回はうまく取れましたけど、コアの中心付近に鉄筋がいたりすると、開けてても固い感覚は無いし、カスも出ないのに、抜くときに絶対折れないんですよ。。そうなったらもうタガネとかハツリ機でコンクリートを粉砕して少しづつカスを出すしかないんですよねぇ。めちゃくちゃ手間がかかります。  しかも新しく立てる柱と鉄筋がどうしても干渉してしまう場合はもっと最悪。鉄筋を溶接で溶かし切るか、最悪柱を切り欠く場合もあります。

だから今回はラッキーなほう(^^♪  

まぁ何にも鉄筋に当たらないのがほんとは一番ですけどねw

いよいよ柱を立てます

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バケツがやたら多いですが(笑) 僕はこんな感じでやってます。右奥の白いバケツがカラ練り。手前のが軟らかめに練ったモルタル。左が水で、緑のフタの小さい入れ物にスーパージェット(※)を入れて持ち歩いています。

まぁ決まりはないですが、バケツは重ねられるし、足りないよりは少し多めにあっても良いんじゃないかと思っとりますw 写ってないですが、外したフェンスの金物類を入れたバケツがもう一つあります(笑)

バケツ大好きほろさん←

※スーパージェットセメントとは、モルタルの硬化時間を大幅に短縮する添加剤のようなものです。詳しくはこちらの記事でも解説しています。→https://www.hohoroblog.com/archives/フェンスの柱の立て方(基本編).html

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フェンス工事では、パネルを取り付けるのに柱がちょっと触っても動かない程度までモルタルが固まるのを待たないといけません。(モルタルが固まる前にパネルを取り付けてしまうと、柱にガタツキが出てしまう為。)

柱を1本だけ取り換える工事の場合、モルタルがある程度硬化するまでの間、ほかにやることがなくなってしまい、純粋な待ち時間となってしまうので、無駄な待ち時間を極力短縮するためにスーパージェットは少し多めに使いました。

そして最近は表面すこし盛り上がる程度にモルタルを入れてから柱を立てると一発で天端まで仕上げられることを師匠から学習したので、この方式でやってますw

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柱立て完了(^^)/ モルタルが固まるまでの間に要らない道具をすべて片付けます。

さすが、スーパージェット多めにしたので硬化は早い!片付け終わってから15分くらい休憩したら結構カッチリ固まっていたので、あとはパネルを取り付けて完成です。

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はい、施工完了(^_-)-☆
 車を横付けできて、わりとやりやすい現場だってので、現場に到着してから撤収するまでの作業時間およそ1時間40分程度の作業でした。 文章書くのが得意ではないので、この記事書くほうがよっぽど時間かかってます(笑)

まぁ一つの例ですが、フェンスの補修工事ってこんな感じです。少しでもなにかの参考にしていただけたら嬉しいです(^^♪

関連記事
フェンスの柱の立て方(基本編)
コアドリルの簡単設置排水システムを開発しました╭( ・ㅂ・)و

2015/10/23 フェンス改修工事

コメント

  1. オグオグ より:

    はじめまして、大変参考になりました。
    我が家は右角地にあたり、その右手の細い通路でよく方向転換をしていく車がいるのですが、その際に何度かフェンスを当て逃げされてこのような状態でぱっと見は分かりませんが、土台は折れている感じです。
    毎回毎回泣き寝入りです。
    だいたいこのような工事はお幾らくらいかかるのでしょうか?
    当て逃げしていく人は少し曲がったくらいなら『これぐらい大したことない』とその場を去るのでしょうけど、当て逃げは当て逃げです。
    本当に腹立たしいです。

  2. ほろ より:

    @オグオグさん
    コメントありがとうございます!それは悲しい、、というか腹立ちますね、お気持ちお察しします。あまり詳しくないのですけど、当て逃げだと保険などは使えないんでしょうかね?
    工事の費用は一概には言えませんが、おそらく3万前後はかかると思います。
    ただ、全く同じように直しても、そのような立地ですとまた当てられるのが心配ですね。
    少し費用をかけて、再発防止を考えるのであれば…フェンスのパネルを切り詰めてブロック1本分ほどセットバックする、というのはどうでしょうか?
    ブロックを引っ込めた部分は、踏まれても壊れないレンガ的な石を1〜2センチの高さで埋めれば、敷地境界も控えめにアピール出来そうです。
    コンクリートで平らに仕上げるよりは多少は、敷地を踏まないように気をつけてくれるかも知れませんね。
    想像だけで言ってるので何とも言えませんが^^; 良い解決策が見つかるといいですね!

  3. オグオグ より:

    ご丁寧にお返事頂きありがとうございますm(_ _)m
    そうなんです、多分いくら修理しても知らぬ間に当て逃げされる可能性が高いので、同じように1ブロック分短くしようかな…、と考えていました。
    『ブロックを引っ込めた部分は、踏まれても壊れないレンガ的な石を1〜2センチの高さで埋めれば…』は、とても参考になりました!
    そのようにすれば確かに敷地境界の目安になりますね!
    アドバイスありがとうございました!
    あとはカメラの設置が一番かもしれませんね(^^;

  4. ほろ より:

    @オグオグさん
    いえいえ、少しでも参考にしてもらえる提案ができてよかったです!
    防犯カメラですね、、本来ならぶつけた人が弁償するべきところですもんね^^;
    何かあれば、また遠慮なくコメントしてくださいね〜( ^ω^ )

  5. 達也 より:

    こんばんは。
    今回の記事と全く同じ状況です。
    こちら横浜市の旭区なのですが、工賃はおいくら程になるのでしょうか?宜しくお願いします。

  6. ほろ より:

    達也様
    コメントありがとうございます、フェンスの種類や状況によりますが、いままで多くのケースでは全て込みで3万〜4万円台が多かったです。
    詳細は下お問い合わせフォームか、下記メールアドレスにご連絡ください。
    ekanomoriあgmail.com
    あ→@に変換してください

  7. ハセガワ より:

    同じようなケースで
    車でフェンスの柱部分をぶつけてしまい
    一本だけ折れてしまった物の修理をお願いしたいのですが
    川崎市高津区で作業可能でしょうか
    可能であれば
    写真を送りますので連絡先教えてください。
    保険使用無しなのでできるだけ費用を抑えたいと思ってます。

  8. ほろ より:

    ハセガワ様
    コメント、お問い合わせありがとうございます^^
    メールの方に返信させていただきました!
    よろしくお願いいたします^^

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