マスのフタがぺりぺりでパリパリ

「うわー、またペリペリに劣化しちゃってるよ…」

こんにちは、ブロック屋ほろです。最近新築一戸建ての外構工事一式を全部やる、みたいな現場をよく担当しています。

あら、また新築外構ですかw 「俺ってまるで外構屋さんみたい」なんて最近よく思いながら仕事してます。(←外構屋です)

で、最近よく思う事があるのですが、新築の一戸建ての外構工事をそっくり請け負うと、メイン(本職)のブロック工事以外にも、色々な門扉や、シャッター、フェンス、ポストやインターホン内蔵の門柱、庭の掃き出し窓の下の階段、家の周りの砂利敷き、駐車場の土間コンクリート打ちなどもほぼ必ずあるわけです。

その中で、昨日作業していた現場でひとつ気になったことがありました。


昨日は、若手社員3人で建売りの新築が3棟並んだ現場で作業していたわけなんですが、家と家の間仕切りのブロック積みは後輩の西井くんと菊地君にお任せして、僕は駐車場の土間打ちの段取りをしていたわけです。

土間打ちの段取りの作業とは簡単に言うと、

①建物から道路へ水が流れるように勾配を設定して、コンクリートの仕上がり面を決める。

②仕上がり予定面からコンクリートの厚み分(駐車場の場合は通常10センチ)低く、地面の高さを調節する。

③各種配管(雨水、汚水)、散水栓、水道のバルブ、量水器(水道メーター)、ガス管の位置を示す杭などの高さを仕上がり面にぴったり合わせて固定する。必要によって間仕切りの目地材(エキスパンタイ)を固定する。

④コンクリートの割れが起こらないようにするためのワイヤーメッシュ(太い金網のようなもの)を敷き詰める

⑤上記の1~4まですべて整ってから、いよいよ生コン車を手配してコンクリートを流し込み、仕上げる

おおよそこんな流れなのですが、昨日僕はその中の②と③の作業をしていたわけです。

多い分の土を手作業ですくい取り、バケツで庭に運び入れ(家と家のあいだが狭すぎて一輪車が通れないとこうなります涙)、高さの設定が終わってから(この時点で昼すぎ、全部手作業だったのでそこそこいい感じに疲労しているw)配管の高さ設定に手をつけました。

そこで冒頭のセリフが出てくるわけですw

「うわー、またペリペリに劣化しちゃってるよ…」

これを読んでも全く分かりませんよね(笑)なにがペリペリに劣化しちゃってたかって言うと、配管のフタに貼ってある、汚れやキズから表面を保護するための養生のビニールが、です。

電化製品なんかでもよくありますよね、出荷から、お客さんの手に渡るまでの間にキズが付いたりするのを防ぐために貼ってある、薄いビニールのシートが。

それと同じようなものが、雨水マスや、汚水マスのフタにも貼ってあるワケなんですが、これがどこの現場でも大抵、劣化しちゃってペリペリになっちゃってるわけです。

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↑伝わりますでしょうか…こんな状態です。糊もべったりくっ付いていてなかなか剥がれません

うちらのような外構工事は、ほとんどの場合他の工事が完成してから、一番最後になるので、それら配管の工事をした設備屋さん(水道屋さん?)が工事してから期間が空くわけです。

すると、UVカットなしの薄い養生シートは紫外線で劣化してしまい、うちらが現場に入るころにはペリペリのパリパリになてしまうんですね。

これが剥がすのがものすごくめんどくさいんです。指でつまんで剥がそうとすると、すぐパリっと割れてちぎれてしまうのです。ふた1枚剥がすのに、すごい集中しても、どんなに剥がすのが上手くても5分以上は余裕で掛かってしまいます。しかも糊が残ることもあります。こんなのが、一つの家に5~10枚くらいあります。3棟で30枚近くはあるでしょう。

1人、半日はかるく飛びますね。こんな無駄な作業に数時間も時間を取られるなんて勿体ない! 

というか、予定外の事で時間を取られすぎると、生コン打設は生コン車の予約が必要ですから、間に合わない場合は最悪、コンクリート打設自体が延期になってしまう可能性すらあります。

経費削減で削ったであろう質の悪い養生シートが結局、後になって何百倍もの無駄な人件費(決して大げさな表現ではない)を発生させてしまっています。

僕らの人件費だって安くはありませんからね。こういうところで掛かった無駄な人件費は、回りにまわって、エンドユーザーである、その家を買うであろう人が負担することになるんでしょうか。

これは、単純に僕らのような職人がイライラする作業をするハメになるだけって話ではなく、自分の責任範囲をどこまで広く設定するか、という話だと思います。最近読んだ本の中にこんな表現がありました。

「人は自分が責任をもつ範囲の中のことしかコントロールできない」

つまり別な言い方をすると、全てに責任を持てばすべてをコントロールできるようになる。

(ほんとかな?話が壮大すぎてよくわからないですが、面白いテーマなので、これについてはもう少し考えがまとまったら、改めて書くかもしれませんw)

施工する設備屋さんも、自分らが工事終わった時点ではまだ劣化もしていないので、気づかないでしょう。もし劣化することを知っていたとしても、納品時点で問題なければ普通はそれでOKですしね。そもそもそういう製品ですし。

それから数か月あとに工事を請け負う、外構屋さんにツケが回ってきてしまう、というワケなんですねぇ。

この記事よよんでくれたどなたか、配管メーカーに接点のある方がいましたら、そのメーカーの社長さんに教えてあげてほしいです。

こういう製品って、施工業者に納品するまで綺麗ならそれでOkってもん? 間違いなく屋外で、雨風にさらされる類の商品ですよね。だったら、最終的にお客さんの手にわたるまでの耐久性を備えた養生をして出荷してほしいところです。

ちなみに僕はイライラしながら作業してませんよwぶーぶー文句は言いますが(笑)

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