konnichiwa! BLOCK職人のほろです(^^)/
ブロックの仕事ではモルタルをかなりたくさん使います。何十回、何百回練るうちに、体力的にとっても楽な、『モルタルの練り方』を発見しました。
モルタルを手作業で練るのって、慣れないとものすごく疲れるんですよね。
モルタルは目的を達成する為のただの材料であって、その材料を準備するのに余計な体力を使っていては、肝心の作業でいい仕事が出来ませんよね。
ということで、この記事を読んで『一輪車を使ったモルタルの練り方』をぜひマスターしてください(^^)/
これを覚えれば応用でコンクリートも同じ要領で出来ますよ♪
…とその前に、「モルタルとはなんぞや?」思われてる方のために基本的な説明を。
モルタルとは、砂、セメントを通常3:1程の割合で水で練り合わせた状態のもの。
コンクリートとは、モルタルに砂利を加えたものです。(モルタルの砂:セメントの割合は用途によって変わります。)
ブロックを積む作業と、充填に使うのはモルタルです。
一輪車でモルタルを練る手順
たくさん使う前提なので、セメント1袋分のレシピを書きます。 (乾燥した状態ではとても一輪車に入りきらない量なので信じられないかも知れませんが、これが一輪車で一回に練れる最大の量です)
材料(一輪車1杯分)
- セメント1袋
- 砂 ホームセンターの20kg入り×3袋
(建材店の土のう袋入りなら2,5袋 角スコップなら12杯くらい) - 水15L前後(砂の湿り気により調整)
必要な道具
- 一輪車(深型)
- 練りクワ
- バケツ(水用)
- ブルーシート等周りを汚さない対策
- 角材(高さ調整用)
練り上り量は一輪車ナミナミになるので、練り始める前に一輪車をなるべく水平な状態で安定させましょう。
一輪車は、取っ手部分を持ち上げて運ぶ姿勢で荷台が水平になる様に設計されているので、平らなところに置くと手前側が少し下がった状態になります。
地面が土などの場合は、タイヤの部分を5センチほど掘って、そこにタイヤがすっぽりハマるようにすると簡単に一輪車が水平な状態で安定し、練っている時に前後に動かないので練りやすいですよ(^^)/
地面がコンクリートなど固くて掘れない場合は、支えのフレームの下に角材などをかませて調整しましょう。
ここからが作業手順です
①いっぺんに全ての材料を入れるのではなく、まずは空の一輪車に20kgの砂なら1袋(角スコップなら山盛り4杯くらい)と、セメント1袋を入れます。セメントはドサッと入れると煙が立つので、開けた袋の口を底に付けてひっくり返し、そっと空けましょう。
②水を入れる前に一輪車の手前から、奥からと、交互に練りクワでざっくりとカラ合わせします。ある程度まんべんなく混ざったら、一輪車の前(奥)の方に寄せておきます。
③手前の空いたスペースにバケツ1杯ほど水を入れ、②で空合わせしたものをダマがなくなるまで練り合わせます。この後で砂を足していくので、ちょっとユル過ぎるかな、位がちょうどいいと思います。
水の量は砂の湿り気によってかなり変わってくるので、一概に何リットルとは言えませんが、極端に水分を含んだ砂でなければ15リットル前後でしょうか…
僕らは20Lのペール缶(業務用エンジンオイル等の空き缶)を使うのですが、セメント1袋分のモルタルを練るのに、およそペール缶で3分の2から4分の3くらいの水を使います。
↑砂とセメント1:1ほどの割合でタプタプのゆるゆるに混ぜた状態。
④緩く練りあがったら、レシピの残りの分の砂をここから2回に分けて追加投入します。
なので、ホームセンターの袋砂ならまずは1袋、角スコップなら4~5杯ほど砂を足し、均一になるまで混ぜていくのですが、この時に楽に練るコツがあります。
自分の立ち位置は、一輪車の手前側(取っ手がある方)に立ち、後から足した砂を少しずつ、クワで手前の下の
方へと押し込んでいきます。勢いよくやると跳ねて周りと自分が汚れるので、そっと下に押し込みます。あとはこれを繰り返して、少しづつ奥からすくって手前に押し込む。
奥から手前に引っ張る動作ではなく、体重をかけて下に押し込む動作の繰り返しなので、たぶんこれが一番疲れにくいと思います。
一度にたくさんの砂を押し込むと、その部分が水分不足で急に硬くなってしまい押し込めなくなってしまうので、少しずつ(どれくらいまで大丈夫かは、やってみて加減をつかんでください)押し込みます。
押し込んだクワを持ち上げる際に、クワの後ろのヘリの部分で、砂を奥から手前に持ってくる(これも適量づつ)感じに動かすと、無駄のない動きになってそれっぽくなります(笑)
あとは全体がまんべんなく混ざるまで繰り返します。水が足りない場合は少しづつ足してください。
↑砂はこれくらいの量づつ足して、その都度、一度均一に練る。
⑤全体が混ざったら、もう一度④と同じことを繰り返します。袋砂を1袋追加(角スコップなら量を見ながら攪拌しながら足していく)
つまり、合計3回に分けて徐々に砂を足して練るという事です。
練り上りの量は、一輪車のヘリから3センチほど下がった位の量になればOKです。
一輪車の奥から、手前からと回り込むことなく、自分の立ち位置は最後まで一輪車の手前側だけで均一に練れるようになれば一輪車モルタルマスターです。 (ほろさんは時々マスターw)
要するに、練り上りに必要な量の水を最初の時点で全部入れて緩~く練ってしまい、後から砂を足してなじませていく。
たぶんこの方法が一番労力が少ない練り方じゃないかな?と思ってます。 水の量は実際に何回かやらないと分からないと思いますので、初めは少な目でやってみて、徐々に加減をつかんでください。
LET’S TRY!!(^O^)/
※練り上がりの量、満タンだと100kg近くあるのでかなり重いです。慣れないと段差などでこぼれたりしやすいので、その場合はバケツなどに少し取り分けて、減らしてから運ぶといいと思います。
※練る際のクワの取り扱いに注意! 特に練り始めの時に必ず起こるのですが、練りクワにべっとり混ざり切っていないモルタルがくっつきます。これを落とすのに、クワの軸(パイプの部分)を一輪車のヘリに当てることは絶対にしないでください。
パイプの部分は叩くのに耐える設計になっていないので、ソッコー凹み、繰り返しやるとあっという間に折れてしまいます。
なので、クワについたモルタルはクワの先端の板の部分の前側、後ろ側を交互に、一輪車の内側に直角に当てて落とすようにしましょう。 道具は正しく使えば長持ちします!
水を入れすぎた場合は…
万が一水を入れすぎてしまい、出来上がりがユルユルになっちゃった場合は、練りあがったモルタルを30分ほど絶対にいじらずに放置すれば骨材が沈み、余計な水が表面に浮いてくるので、一輪車を前に傾けて(重いので注意!)表面の水だけ流してしまえば丁度良くなります。(ワタシ、たまにやらかしますw)
待つ時間がない場合は、満タンすぎる一輪車からゆるいモルタルをバケツに少し取り分け、砂とセメントを足して調整すれば、すぐに使える状態にすることもできます。
↑ちょっと緩めになってしまったモルタルを15分ほど放置した状態。わかりにくいですが、表面に水が浮いてきてます。ちょうどいい水分量の場合は水は浮いてきません。
雨ざらしになった、びっしょり水分を含んだ砂で練らなくてはならない場合は、気を付けてもかなりユルくなってしまう可能性が非常に高いので、その場合は初めにセメント1袋全部を入れないで、1/4ほど残しておくと、楽に調整できます。
一輪車モルタルは慣れないとこぼれたりするので、汚したくない場合は下にブルーシート等を敷いてやれば安心です。
また、必ず汚れてもいい作業着でやりましょう。
結論
一輪車って便利
このモルタルを練るのに一輪車を使っちゃおうって方法、考えてみれば非常に合理的なんですよね。
重量物(ブロック)運べる、練れる、練ったモルタルをそのまま運べる、流し込むことも出来る。
現場にセメント置いて帰る時はひっくり返してかぶせておけば雨除けにもなる。ネリブネをわざわざ現場に持っていく必要がないんです。
もし一輪車をお持ちで、モルタルを使う予定がある方は、ネリブネを買う前に一度試してみてはいかがでしょうか(^^)/
僕が今のブロック屋に勤める前は、主にサッシや建具(ドア、門扉、シャッター)等の工事をする会社にトータル10年ほど勤めていました。フェンスの工事もやっていたので内容が今とカブっている部分もあるのですが。。
前の会社の時は、モルタルや、コンクリートを練る時は、ホームセンター等でも売っている『ネリブネ』という緑色の樹脂製の四角い箱状の容器で練るのが普通で、(たぶん一般的にもそれが普通)それが当たり前だと思っていたんですが、今のブロック屋になってからは、モルタルやコンクリートを消費する量は圧倒的に多いのに、一度もネリブネなんて使った事がなく、一輪車で練るのが当たり前になってしまいました。
初めは一輪車なんかで練ったことが無かったので、「なんて特殊モンで練るんだ!」 って思ってました。
ネリブネを忘れたから、その現場だけ仕方なく一輪車を使っているのかと思ってたら、ずっと、どこの現場へ行っても一輪車です。
同じ建設業界で、業種も近いのに、こんなにも常識が違うんですね。
今ではすっかり自分も一輪車でモルタルを練るのが当たり前になってしまい、むしろ『モルタルは一輪車で練るもんだろ』くらいに思ってます。 逆に今、ネリブネしかないって言われたらちょっと嫌ですもんw
時間を計って比べたことないけど、セメント1袋分のモルタルを練るの、ネリブネよりも一輪車の方が早いかも!?
練る高さも近い分、腰の負担も楽かも知れません。
ただ、一輪車で練るのはコツがあるんですよね。セメント1袋分のモルタルを一度に練るのは出来上がり量的にも一輪車にナミナミの量なので、手順を知らないとまず無理だと思います。
ブロック屋になってもうすぐ1年、ようやく楽に一輪車でモルタルを練るコツが掴めてきたので記録しておきます。
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